あたしが見た世界Ⅱ
「あーもー、また泣きそうな顔して……」
ソイツは自分の胸にあたしの顔をあてる。
「辛かったら泣いてもいいんだよ?
無理に
感情を押し殺さなくてもいいんだからね?
ほら、
こーすると泣き顔なんて見えないでしょ?」
ソイツはそう言ってあたしの頭をポンポンと
まるで
母親が子供をなだめるようにあたしの頭をなでた。
ソイツはとても温かくて
とても懐かしかった。
「……グスッ………」
「ガマンしない、ガマンしない、」
その言葉にあたしは
ネジがはずれたように泣いた。
「ふぇぇぇぇぇぇぇえええ」