あたしが見た世界Ⅱ
「……いつ以来だろうね?
揚羽がそうやって病院のべットにいるの」
隼人達が病室から出ていった後、黒羽が久しぶりにあたしに話しかける。
「……さぁな」
あたしはフッと目を伏せる。
―……本当にいつ以来だろうか
あたしがこうやってずっとベットにいるのは
あたしはそう思いながら窓の外を見ていた。
「……今回は災難だったね」
ふと、黒羽が言った。
「……フン、まるで他人事だな」
「いや、まさかまた夜一と揚羽が会うと思ってなかったから」
「…まぁな」
「それで、言いにくいんだけど」
「…………………何だ?」
「夜一がフェイクだった」
黒羽は真剣な表情で言った。