あたしが見た世界Ⅱ
初耳
それから1週間が経った。
あたしの足は他の傷より深いため治るのが遅くなるらしい。
「――ッ」
歩こうとするがうまくいかない。
「あッ!!!?」
バランスを崩してあたしは前のめりに倒れる。
――はずだった。
「っと、危なッ」
あたしは隼人に受け止められていた。
……細い腕なのによく片手で支えることができよな……
そんなことを思って隼人をガン見していた。
「ん?あれ、俺の顔に何かついてる?」
「……いや」
「…?
あ。
アイ、歩く練習しようか」
ニコッと隼人は無邪気な笑顔をあたしに向ける
………まだ、
馴れないか……
その綺麗な笑顔に。