あたしが見た世界Ⅱ
「……イ、」
まだ、
「…ァイ」
馴れないか
「アイッ!!!!!!」
「!!」
Σ(゜ロ゜)
「どしたん?急にボケっとして?」
慧が眉にシワを寄せる。
………どうやらあたしは自分の世界に行っていたらしい。
「あ、」
ふと、隼人が何かを思い出したように言った。
「まだ、足、痛いんだろ?」
「……あ、イヤ、そんなに大したことじゃなかッッ!!!?」
フワリと体が宙に浮く。
「よし、これなら痛くないよね」
そう言ってスタスタとあたしの病室に戻って行く。
「ちょッ!?おろせ!!!!1人で歩けるッ!!」
「いーや、ダメ。アイは無茶するから」
………あたしは俗に言う『お姫様抱っこ』をされている。
「もー、こんな人目がある所でイチャイチャすんなやぁー。俺等が恥ずかしいわ」
「…同感」
「他の場所でやってほしいですね」
「まだイチャイチャしてない」
隼人がぶすっとした表情で言う。
………『まだ』ってどういうことだ。
『まだ』って。