いじわるな先生が大好きで


学校に着いて教室へ行くと誰もいなかった。


どうやら移動教室らしい。



日課表を見ると情報(パソコン室)
と、書いてあったのでそこへ向かう。



ガラガラっとパソコン室の扉を開くと


「おー桃山ーやっときたか~!」

呆れたように先生が言った。



そして

「吉村先生、桃山頼みます。桃山、吉村先生がお前が遅れた分、個人で教えてくれるから」


そう言ってまた授業を再開した。



―――ポンッ―

頭に手を置かれ、『おはよみのり』と皆には聞こえない小さな声で言った。



その人はもちろん吉村先生で、あたしは顔が急に赤くなるのが自分でもわかった。




――ドキドキ…―


また心臓が高鳴った。


そして吉村先生は真面目に教えてくれていたのだが、ドキドキしていたあたしは全く集中できなかったのだった。




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