いじわるな先生が大好きで
「・・・・え・・・??」
後ろを見ると、そこには男の人が立っていた。
それは朝からきゃーきゃー女子に騒がれていた先生、吉村先生だ。
吉村裕也(よしむらゆうや)
まだ教師になって2年目で24歳の若い先生だった。
真っ黒なスーツに黒縁メガネ、アシンメトリーな髪型は先生に本当によく似合っている。
『おまえ、大丈夫か?てか何で泣いてんの?』
少し冷たい口調、そんな所も女子に人気な所だ。
「だっ大丈夫です、すみません・・・」
そう言って吉村先生の横を通り過ぎようとしたそのとき
ばしっと腕を掴まれた。
『そんな泣いてんのに、教室にでも戻んの?泣くならここで泣け』
そう言ってあたしの腕をひっぱり屋上においてある椅子に座らせた。
そして、
『ほら』
紺色のハンカチを差し出してくれた。
「いっいや、ほん・・・っとに大丈夫・・ですから」
『なにが大丈夫なの?』
「え・・・・・?」
『だから、生徒が泣いてるのにほっとけねーだろ?』
そう言ってあたしの顔に紺色のハンカチを投げてきた。
あたしは仕方なく涙でぐちゃぐちゃの顔をハンカチで拭いた。
すると、
『いい子いい子』
そう言ってほほえみあたしの頭を優しく撫でてくれた。