違和感~incongruity
会社に着くと、みんな白いツナギに着替えて自分のIDナンバーの書かれたブースに行く。
各ブースにはモニターがあり、ERROR表示が出たら、緊急停止ボタンを押し、リセットすればいい。それを一日中繰り返すだけの作業だ。
やり甲斐とか達成感とかとは全く掛け離れた所にある仕事である。
仕事が始まって直ぐにブザーがなりERRORが出た。
いつもの様に緊急停止ボタンを押してリセットして作業は完了した。
何故かリセット完了すると、いつも気分までスッキリして来るのだ。
就業時間になった。
朝の違和感の事などすっかり忘れてた。
駅に着き電車を待っていた。日本の電車は時間通りに来るので有名だが、得にこの電車は1秒と狂い無く到着する。
そして人々も狂い無く乗車して行くのだ。
その光景をだれもが当たり前だと思い、誰一人疑う者も居なかった。