マイベイビー&ハピネス☆

振り返ると、そこにいたのはなんとヒカル。

ずいぶん久しぶりな気がする。


「あ、ヒカル!この間の返事?俺に会いに来たんか?」


にわかに真面目な顔にこんな状況ながらイラッとする。

んなワケねーだろ。

…と信じたい。


「そうじゃなくて…。明、今日の昼休みにサッカー部の集まりがあるって分かってる?さっき、ゴリ先、怒り狂ってたよ。来てない奴はどうなってんだ、って」


「…えっ、知らんなぁ。集まりなんて聞いとらん」


「なら、別に行かなくていいのかなぁ?ま、叱られるの私じゃないし」


明は少し動揺したようだ。


その仲間たちにいたっては顔色が変わっている。


「おいおいマジかよ」


「1年に示しつかねーじゃん」


「ヤベーよ、ゴリ先に殺される!」


ヒカルの発言は効果テキメン。


彼らはあたふたとその場を去っていった。


「…あ、ありがと」


お礼を言ったが、ヒカルは俺の言葉など聞こえなかったかのように、横を通り過ぎた。


そのままプレハブハウスへ入って行く。


慌ててその後を追う。


やっぱ、許してくれたわけじゃないんだな…。当然だけど…。


ヒカルは、ベビールームへ入ると、大翔を抱きかかえた。


そして、



――そのまま教室を出て行った。



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