マイベイビー&ハピネス☆
「良かった。大したこと無くて」
病院を出たところで、ヒカルが言った。
大翔はただの風邪だった。
今は、俺の背中でスヤスヤ眠っている。
「で、結局どうするの?」
「……」
「もうこんな生活ムリだよ。大翔くんだって疲れが体に来たんじゃないの」
「……お前が警察に言えば、どーせ俺の両親に伝わる。親父は正義感と責任感のカタマリ
だから、学校やめて親やれって言うだろーよ。満足か?」
ヒカルが大きくため息をついた。
「薫がこんなに一生懸命になっているのは、全部、自分の世間体のためなの?」
「……まぁ、そういうことだな」
「ホントにそう?大翔くんのことは、どうでもいいの?この子が死んでしまっても、何も思わない?」
俺は顔をしかめた。
「大翔は死んだりしねェ。俺がそんなことさせねェよ」
ヒカルはまたため息をついた。