マイベイビー&ハピネス☆

「矛盾してるよ…。どれだけ身勝手か、分かってる?」


「ああ…。でも、もう少し時間が欲しい……」


ヒカルが三度、ため息をついた。


「……いいよ、今回は警察には言わない。でも、次に何かあったら、止めてもダメよ。
それと、解決するまで、私も大翔くんの世話を手伝う」


「……」


「…ホント、自分が薫に大甘だって気がして嫌になるんだけど…でも、薫のためじゃないから」


険しい顔のヒカルを見て、俺はうなずいた。


結局ヒカルは、いつも正しくいようとして、でもその優しさとの間で葛藤する。


「…ありがとう」


彼女を傷付けてしまったことが、


不意にまた悲しくなった。


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