マイベイビー&ハピネス☆


「……なぁ、信也」

俺は言った。

「今日、小矢部夕貴に会ったんだ。でも彼女、妊娠なんてしてないってさ」

「そりゃ、DNA鑑定してみないと分からないぞ。相手はお前に脅迫文まで送ってるんだ。みすみす自白するハズはねぇ」

「なぁ、信也……」

「なんだ。何度も呼ぶな」

「またドッキリだとか言わねーよな」

「ドッキリだ?」

信也はコーヒーを入れる手を止め、振り返った。

「俺、すごく辛かった。一刻も早く、母親を見つけ出したくて……俺、お前を信じて大丈夫なんだよな?」

「……」

「お前、いつもおちゃらけてるけど、請け負った仕事はキッチリやるもんな」

「……」

「なぁ、何とか言えよ。またドッキリとか言わないよな」

「ああ、言わないさ」

信也は、俺の目を見てキッパリ言った。


< 120 / 210 >

この作品をシェア

pagetop