マイベイビー&ハピネス☆
「毎日、毎日お前のお守り。
友達とも遊べないし、部活も行けなかった。
お前は、オレの人生一度きりの青春を踏み台に成長したんだ。なのに――」
信也は軽く笑った。
「自分が同じ状況になったら、あっさり逃げる?不公平だろ。
オレだって、お前を施設に放り込みたかった!
でも、出来る立場じゃなかったんだ……!」
「あの赤ん坊見てたら、苦労した昔を思い出した。
お前のあっさり逃げようとする姿勢、すげぇムカついたよ。
ホント、分かってねーよな。
自分がどうやってここまで生きて来れたか。
…お前の1人暮らしが誰のおかげで出来てるか知ってるか?
俺がお前の近くに住んでるからだ。だから兄貴は1人暮らしを許したんだ。
俺はいつまでお前のお目付け役なんだろーな…?」
信也は自嘲気味に頬を引きつらせた。
「兄貴に赤ん坊のことをチクらなかったのは、家族にお前を手助けさせないためだ。
出来るだけ長く、オレと同じ状況に、1人で苦しめばいいと思ったのさ」
信也は意地悪く言った。
「どうだ?少しはオレの気持ちを思い知れたか?」