マイベイビー&ハピネス☆
* * *
冷たい星空。
冷たいベンチ。
冷たいビール。
冷たい人々の視線。
制服姿でベンチに座り、自販機で買ったビールをあおる俺。
警察に補導されるかな?
でも、どーでもいーや。
街の輪郭線がダブって見える。
ふと、信也の声がよみがえる。
――お前は、俺の青春を踏み台に成長したんだ。
アホな叔父。
昔からそうだ。
幼い俺に、ピッキングだのハッキングだの教えてきて、甥っ子を犯罪者にでもするつもりかっつーの。
――俺だってお前を施設に放り込みたかった!
まぁ、でも昔は、探偵とか格好いいと思ったな。
アホだけど、何やかんやで友達みたいだったし。ちょっとは尊敬もしてて……。
――お前、すごく邪魔だった。
……。
ああ、嫌だな。
17歳の男がこんな……。
頬に流れる、冷たいしずく。
これじゃ、まるで、赤ん坊だ……。