マイベイビー&ハピネス☆

「彼と別れる羽目になったんだもの」


カチンッ。


「なんだよそれ…。仮にも母親だろ」

「じゃあ、あなたが育てれば?」


俺は言葉につまる。


「この子が生まれたのは事故でしょ?それなのにキレイごと言って、無償の愛を注げとでも?あなたには出来る?」


「……」


「私は育てるつもりはない。そんな自信もない。生半可な覚悟で親になっても、子供だって迷惑するだけよ」


言い切る雫。

俺は、大翔のあどけない寝顔を見下ろした。

なんだか無性に腹が立った。


「…なんで、なんであっさり割り切れんだよ?」

「だって、私、こんなことになるなんて――」

「お前の話じゃねェ!」


思わず怒鳴る。

雫がビクリと黙る。

大翔が泣き出す。


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