マイベイビー&ハピネス☆

和美が途中で手芸部の小物を買ったり、しばらくあちこちブラブラした。

2人のバカップルっぷりは、見ててなんだか和む。

俺はしばし、現実を忘れた。

尚樹がトイレへ行ったので、手近のベンチに和美と腰を下ろした。

俺は、途中で買ったおしゃぶりを取り出し、眺めた。

これで俺の指も安泰だ。

なんて思ってると、和美がポツリと言った。


「薫くん、元気そうでよかったよ」

「へ?」

「尚樹くん、心配してたから。最近、薫くんが変だって」


むむ。そうなのか。

おしゃぶりを握ったまま、頭をかく。

気ぃ使わせちまったな、と思いつつ、俺は笑う。


「アイツに変なんて、言われたくないけどなー」


すると、和美も笑った。


「でも、尚樹くんは優しいよ」

「のろけかぁ?」

「ち、ちがうよ」


和美が予想以上にはにかんだ。

と、和美の背後に目が留まる。


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