マイベイビー&ハピネス☆

「意外だったわ」


顔を上げると、夕貴がカップラーメンにお湯を注いでいた。


「……そのカップメン、俺のでは?」


ショッピングモール前の歩道で偶然居合わせた夕貴。

動転する俺に声をかけた後、なぜか自宅までついてきた。

しかも気付けば部屋に上がり込んで、俺の買い置きのカップメンを開けている。


「てっきり、薫は赤ん坊を厄介払いしたいのかと思ってた」


夕貴が淡々と言った。

てか、カップメンは無視なのか。

きっちりタイマーまでセットしやがって。


「なのに、血糊の仕込まれた人形だけで、あそこまで動転するなんて、意外」

「別に俺は、大翔に死んで欲しいわけじゃない」

「そうね」


夕貴が素直にうなずいた。

タイマーが鳴った。


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