マイベイビー&ハピネス☆

「分かったよ」


頷くと、コータが不服な顔をした。


「ずいぶん、いさぎいいなぁ。面白くねェ、オイ」


そう言って振り返り、仲間を見た。

大翔を抱いているチンピラが、大翔を高く持ち上げた。

大翔は高い高いをされていると勘違いしたらしく、きゃっきゃと笑う声が聞こえた。

コータは、あくまで自分のペースで言った。


「見ろ。ちょっと腕を緩めるだけで、あの赤ん坊は大怪我だ」

「おい止めろ!!」


思わず大翔の元へ踏み出しかけて、強い衝撃が飛んできた。


「うぅ…!」


コータの蹴りが、腹に直撃した。


「動くなっつーの」

「薫!!」


ヒカルの悲鳴。


「おい。そこの姉ちゃんも動くな。コイツのケガが増えるぜ?」


俺はよろけながら、足を踏みしめた。

睨みつけると、コータが冷たく笑った。


「いい度胸だな」


雷鳴がとどろき、チンピラたちの影が躍った。


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