マイベイビー&ハピネス☆

……何?


「私、ずっと前から知ってた。
薫が浮気してること。

だから、雨晴くんのお姉さんのことも注意して見てて。あなたの子だってすぐに気付いた。

お姉さんが施設の前に置き去りにした大翔くんを、私が拾った」


「……何言ってんだよヒカル」


ヒカルの目から涙が落ちた。


「薫の浮気がショックで。復讐したかった。子守で大変な目に会えばいいと思って…ショッピングモールのことも私が……。ごめんなさい」


信じられない。そんなのありえない。

俺は、慌てて否定する。


「だけど、ヒカルは助けてくれただろ。大翔の子守も手伝ってくれて……」


ヒカルは首を横に振った。

胸元のブローチの透明な青が、不安げにキラキラ揺れる。


「万が一、罪もない大翔くんが危険な目に合ったら嫌だから、監視しようと思ったの。

…それに私、やっぱり薫と一緒にいられるのが嬉しかった。

あなたが私を必要としてくれることが、嬉しかったんだ……」



「……ヒカル」



ポロポロと涙を流すヒカルに、俺も思わず泣きそうになる。



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