マイベイビー&ハピネス☆
「…薫くんたら、冷静だなぁ。
ま、コータくんとは仲間じゃないけど、絵里奈を通して手伝ってもらったの」
和美は、軽くブランコを揺らす。
「絵里奈?あいつもグルか?」
「絵里奈は私の言うこと何でも聞くんだ。
中学のとき、私にイジメられてたのがトラウマなのかな?
薫くんの部屋へ行って、DNA鑑定書を探し出して砺波ヒカルに見せたり、ショッピングモールの6階から、人形を落としてくれたりね。
あの人形、よく出来てたでしょ?手芸部で作ったの」
「なっ……」
そんなことまで…。
色々問い詰めたいが、今は…。
「大翔はどこにいる?」
和美は学祭のときと同じように、明るく微笑んだ。
「ふふ。やっぱり、慌てる薫くんって、かわいいなぁ」
思わず、和美の胸倉をつかむ。
女を殴るのは気がひけるがでも。
和美は笑みを消して、俺を見る。
「私の携帯、今通話中。
私に手をだしたら、大翔くんを連れている仲間に聞こえちゃうよ。
そしたら、どうなるか、分かるよね?」
「……本気か?」
「もちろん」
俺は和美を睨みつけ、しぶしぶ手を放した。
和美は再びブランコを揺らす。
「心配しなくても、あなたのベイビーは無事」
「…なぜこんなことをする?ヒカルにウソまでつかせて」
「ウソ?脅迫文がどうの、って言ってたあれ?悪いけど、私は知らない。
彼女が勝手にしたことよ」