マイベイビー&ハピネス☆
「大翔くんは、今夜死ぬんだもの」
「!?」
「薫くん、あなたが大翔くんに情が移っていくのは、仕掛けた盗聴器からよく分かったよ」
「大翔はどこにいるんだ?」
「大翔くんがいなくなったら、あなたは、いい厄介払いが出来たと思う?それとも絶望に打ちひしがれる?」
「どこにいるって聞いてるんだ!!」
「私は後者だと思う。だから、これからしばらくは、薫くんの不幸な顔が見られるかな」
俺は和美の胸倉をつかみ、勢いよく地面に突き倒した。
傷ついた腕の痛みすら感じなかった。
「どこなんだ!!!」
和美は、痛そうに顔をしかめたが、すぐに笑顔で言った。
「そろそろいい時間かな?
大翔くんはね、学校のプレハブハウスにいるわ。
どこの部屋にいるかは、私も知らない」
俺は急いで駆け出した。
後ろから、和美の不気味な声が追いかけてきた。
「何も出来ずに、目の前で自分の息子が死んだら、あなたの不幸は倍増だよね?」