マイベイビー&ハピネス☆

「大翔っ!!」

叫んで、煙に咳き込む。

ベビールームの戸を開ける。

すでにあちこちから火の手が上がり、

持ち込んだオムツやベビーベッドも燃ていた。慌ててベッドをのぞいたが、空。

次の教室へ移る。物置部屋。

積まれた机の山。高温になった机の足は、うっかり触れると痛みが走った。


いない、いない、どこにも――。


順番に教室を見てまわる。

見落としてたらと思うと、不安になる。

だが、1階にはいない。

そして、2階。

教室の戸から炎が噴出す。

炎の間から中を見るが、よく分からない

煙が喉を焼く。上着で鼻と口を覆う。


一体どこに――。

< 182 / 210 >

この作品をシェア

pagetop