マイベイビー&ハピネス☆
「私が無量江探偵事務所に就職できたのは、薫のおかげ。
あなたが私を訪ねて来たとき、話の内容から、所長が違法なDNA鑑定していることを推測できた。それをネタに雇ってくれるよう、彼を脅せた」
「・・・お、脅しぃ?てか、俺、お前に鑑定のこと言ってないよな?」
当人から鑑定を拒否されると、鑑定するまでに手続きが面倒になる。
それもあるから、こっそりサンプルを集めていたわけだが。
まさかこんなことに利用されるとは……。
夕貴は淡々と話す。
「ストレートに説明されなくても、言葉の端々から色々予測できたわ」
「マジかよ……。やっぱ、俺のせいなのか…」
「奥田議員の猫を手土産にした効果もあるけど。でも、1度の就活で合格したのは、薫のおかげ」
そんな就活ねーだろ。
ツッコミつつ、俺は、ため息をついた。
「あーあ、そういうわけねぇ。俺、意外と信也に迷惑かけまくってたのかもな。ウザがられても、仕方ないな…」
すると、夕貴は、わずかに首をかしげた。