マイベイビー&ハピネス☆


「なんにしても、あなたはいい家族をもって幸せ者」

「まぁ、信也は家族っつーか。親戚っつーか」

「私、昔、親から暴力を受けてたから」


俺は目をしばたいた。

彼女はスッと視線をそらせた。



「両親は私を生んだことを後悔してた。

私も、彼らに育てられるより、施設に預けられたほうが良かったと思う」


「……」


「薫を信じてないわけじゃないけど、あの赤ん坊に、自分を重ねてしまったわ」


「……そっか」



夕貴は黙ってジュースを飲む。

透明な瞳が少し、揺れる。




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