マイベイビー&ハピネス☆
辺りが少し暗くなって来た。
大翔もすやすや眠っている。
物静かな公園の前でヒカルが立ち止まる。
別れの時間。
大翔を連れてのデートは疲れたけど、
ヒカルと別れる時は、いつも名残惜しい。
ヒカルが俺に笑いかける。
「じゃ、また明日。学校で」
「…ああ。今日はごめん。子連れで」
「ううん。いいよ。大翔くん、かわいかったし」
そう言って「じゃあ」ときびすを返しかけた彼女を、俺は呼び止めた。
「ヒカル」
振り返った彼女の後頭部に手を回し、引き寄せ、キスをした。
フワリとシャンプーのいい香りがした。
唇を離すと、ヒカルがちょっと照れて微笑んだ。
「じゃあ、おやすみ」
そう言って、今度こそ去っていく彼女を見送った。