マイベイビー&ハピネス☆
「ね、踊ろうよ」
「や、俺はいいや」
「ええー
絵里奈は不服そうにふくれたが、唐突に俺の顔をのぞきこんだ。
「じゃ、ホテル行こうか?」
「へ?」
俺は思わず目をしばたく。
「あは♪ちょっと照れてる?」
何その軽いテンション…。
俺が何か言う前に彼女はノリノリで言った。
「そうしよ!踊る気分じゃないんでしょ!はい立った立った!」
「えー、じゃあ俺、ちょっとトイレ行ってくるから先、出口で待ってて」
「分かった」
トイレに行くフリをして、絵里奈が出て行くのを確認する。
そして俺は、テーブルに戻り、
灰皿のタバコをビニール袋に入れた。
怪しまれずに、サンプル回収。
絵里奈には適当に言い訳して帰ろう。
が、階段を上り外へ出た途端、
後ろからかかる不穏な声。
「待ちやがれクソ野郎が!!」