マイベイビー&ハピネス☆
30年分の寿命
放課後。
「なぁ知っとる?
この前の日曜、クラブハウスの前でケンカあったらしいで」
「ふうん」
「オレの親父が何度か補導しとるコータってヤツ。
仲間も3人まとめてコテンパンにやられたらしいわ」
「ほほう」
「どうも相手がボクシングやっとったらしくてなぁ」
「へぇ」
「これってお前のことやろ?」
帰り支度をする俺の隣で、明がしつこい。
うるさいなぁ。もう。
だったら何だって言うんだ。
と思いつつ俺は用心して否定する。
「ちげーよ」
「なんや。謙遜して。すごいやん。
3人まとめて相手なんて」
「まーな。あの時は参ったよ」
などとここでデレデレ言う奴は素人だ。
この誘導尋問。
狙いは他にあるな、たぶん。
「だから、俺じゃねーって」
「このケンカ、女が原因らしいで。
お前、モテんねんなぁ」
「だから、ちげーっての」