マイベイビー&ハピネス☆

大丈夫だから、と断るのを和美は「いいの」と断った。

キミが良くても俺はまったく良くないぞ。

ああ、なんで焼きそばの屋台に並んだのだろう。しかも結構行列じゃん…。

俺は疲れて、ボンヤリ虚空を見つめた。



「ね、薫くん」


しばらくして、和美が俺の袖を引っぱった。


「――行こっ!」

「……えっ、何?」


立ったまま、半分眠りかけていた俺は、ハッと我に返った。


「この人がね、私たちに頼んでるでしょ」

見ると、いつの間に現れたのか、汗だくで泣きそうな女の人が1人、和美の横に立っていた。

スタッフの腕章をつけている。


「頼み?何のこと?」


尋ねたけれど、和美は、


「聞いてなかったの?

もう、あとで説明するから来て!

早くしないと、始まっちゃうよ!」

「でも尚輝が…」


俺は、辺りを見回し尚輝の姿を探したが、見つける前に、スタッフの女の人が慌てた声で言った。


「お連れ様でしたら、私のほうからお伝えします…!

焼きそばもお任せください!

大丈夫です!すぐ終わりますから!」

必死の形相のスタッフと、袖を引く和美に、半ばボンヤリしていた俺は、わけも分からずついて行った。


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