マイベイビー&ハピネス☆
「それでは4組目の熱々カップルに登場していただきましょう!どうぞ!」
司会の声と、拍手に迎えられ、俺はステージの上にいた。
えぇぇぇぇぇぇぇ!
ようやく、状況を理解した俺は、自分でも表情が引きつるのを感じた。
ヤベェ、手汗パネェ。
尚輝、トイレにでも行っててくれないかな。
「お2人が付き合うようになったキッカケは何ですか?」
司会にマイクを向けられ、和美が答える。
「えと、同じ学校に通ってて。か、彼が、私に一目惚れして、告白しました……」
「なるほど、一目惚れですか、ロマンがあって、ステキですね!
では、そのときの告白シーンを再現して頂きましょう――じゃ、2人とも向かい合って」
は!?
ちょっと誰か、今の俺の立場をあの司会者にテレパシーしてくんない!?
舞台袖で、スタッフがカンペを掲げている。
もう仕方ない。俺はそれを読み上げる。
もちろん、かなり棒読みで。
「ずっと前から好きだった……俺と、付き合ってほしい」
あー神様仏様。
今こそ尚輝をトイレへお導きください。
「あ、あたしも……ずっと好きだった…」
和美が上目遣いで俺を見た。
なぜ赤くなる!?
「これから、よろしくお願いします」
そう言うと、和美は耳まで真っ赤になった。
そーゆー演出、止めてくれぇぇぇ!!