マイベイビー&ハピネス☆
「尚輝!」
「あ、姉ちゃん!」
「私の演劇、見てくれてたね」
「うん。すっごく良かった」
お姉さんは、俺たち3人にも挨拶した。
そして、あらかた挨拶を済ませると、唐突に俺に言った。
「ね、薫くん。あたし、屋台もやってんだけど、今、人手足りなくてさ。
少しでいいから、手伝ってくれない?」
「え、じゃあ俺が……」
言いさした尚輝を、お姉さんが遮った。
「あんたはダメ。そんな不器用で、たこ焼きなんか焼けないわ。
――ねぇ薫くん、急ぎなんだけど、ダメかな」
「行きます!」
どこまでもついて行きます!!
「ごめん和美ちゃん。
弟と2人になっちゃうけど、お願いできる?
コイツ、アホだから迷子になるかもしんないけど」
「いえ、そんな!大丈夫です」
和美はブンブン首を横に振り、お姉さんが頷いた。
「たこ焼き屋、落ち着いたら、薫くん返すから。じゃね!」