マイベイビー&ハピネス☆
最後の1人。
小矢部夕貴。
ネットカフェを転々とする少女。
音信不通。消息不明。
彼女は携帯電話を持っておらず、PCのフリーメールに送っても応答なし。
他に連絡をとる手段も無い。
手元にあった彼女の写メを使い、街で聞き込みをしているが、一向に手がかりなし。
「母親の正体が分かっても、居場所がさっぱり分からないんじゃなぁ」
ガックリうなだれると、信也が言った。
「置手紙には【いつもあなたを見ています】だ。
案外どっかからお前をストーキングしてるかもな」
「怖いこと言うなよ。……なぁ、信也」
「却下」
「まだ、何も言ってねーぞ!」
「そいつの捜索、手伝えとか言うんだろ。
俺を、便利な道具出してくれる青ダヌキと思うなよ」
「探偵は人探しが仕事だろー」
「ああ。でも、今オレが探すべきは、どこぞの不良な少女じゃない。
奥田さんちのミャア子ちゃんだ!」
信也は、壁に張ってある、迷い猫のポスターを指差した。