マイベイビー&ハピネス☆
「どーもどーも。先日はうちのコータが迷惑かけちゃって」
絵里奈が俺に笑いかける。
いや、迷惑っていうか。
もう現在進行形で迷惑っていうか。
「薫ちん留守だったから、彼女さんにあげてもらったんだー♪」
「ちょ、ちょっとお茶でも入れるわ」
俺はヒカルの袖を引っ張り、キッチンへ連れて行った。
「あいついつ来たの?なんで家にあげたの?」
「ついさっき。
彼女、止める間もなく押し入ってきたんだもん。友達だって聞いたけど、入れたら何か不都合だった?」
「いや、そうじゃないけど……俺あいつ苦手で…」
「そう?でも、絵里奈さん面白そうだし、いろいろ話、聞いてみたいな」
ヒカルが意味ありげに俺を見た。
俺としては2人でクラブに行ってホテルの話をしてたなんて、全然まったくこれっぽちも聞いて欲しくない。
浮気の気なんて無かったと言っても信じてもらえないだろう。
と言っても、1度は関係を持ってしまっている。
絵里奈が口を滑らせれば終わり。
だが、ヒカルは、すでに持て成す気満々で、冷蔵庫からお茶を取り出した。
仕方ないので、俺も人数分のコップを出す。