マイベイビー&ハピネス☆

冷たい夜風に、再び腫れあがった頬がヒリヒリと痛んだ。

俺は、土手をおり、草むらに大翔を下ろした。

……あどけない寝顔が憎い。


「なんで……」


こんなやつ。


「なんで俺の子に生まれてきたんだよ…」


いつも、ろくに眠れない。

友達に誘われても、カラオケも、ゲーセンも行けなくて……。


「お前さえいなけりゃ、こんな……」


ヒカルは二度と戻って来ない。


「こんなことに、ならなかった!!」


叫んだら、大翔が泣き出した。


「泣くなよ…」


泣きたいのは俺のほうなのに。


「泣くなってんだよっ!」


いつもいつもこの泣き声が、

俺を放さない俺を縛り付ける!



もうイヤだ!



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