マイベイビー&ハピネス☆
ふられんぼ
ヒカルが去って、数日が過ぎた。
ある昼休み。
弁当を広げる元気もなく、ボンヤリしていると、尚樹が意気揚々と声をかけてきた。
「どうした?お先真っ黒こげな顔して」
俺は顔を上げ、疲れた声で応じる。
「や、ちょっと寝不足で」
「大丈夫か?お前、最近なんか変だぞ」
「…お前はいいな、幸せオーラ全開か」
「ああ。見てくれコレ。和美が作ったんだぜ」
尚樹がケータイのストラップを見せ付けてくる。
晴れて和美と交際スタートの尚樹はルンルンだ。
神様って不公平。
なんて愚痴っても始まらないので、俺は適当に相槌を打つ。
「そういや和美、器用だもんな。頭もいいし、何でも出来るし」
「そーなんだよなー。て、お前そんなに彼女と親しかったっけ?」
「…いや。適当に言っただけ」
俺は彼女とはもう関係ない。
和美が元カノだなんて知れて、面倒事が増えるなどゴメンだ。