マイベイビー&ハピネス☆
「尚樹くん」


そのとき、噂の和美が教室へ入ってきた。


「お昼、食べよ」

「おう」


あれ、何このハッピーオーラ。


「あれ、薫くん。なんかお疲れ?」


和美の問いに尚樹が答える。


「寝不足なんだって。早く行こう」

「薄情者ー。それでも友達かー?」

「もちろん友達だ。だからこそお前は、友達であるオレの華々しい門出を見送ってくれ」

「彼女とメシ食うだけで、どんだけ大げさ?」


笑う尚樹が「じゃ」と言いかけたところで、和美が言った。


「ねえ、さっき新一くんと砺波さんが4階の空き教室に入ってくの見たよ」

「え…?」

「なんか、2人でコソコソしてさ。砺波さんって薫くんの彼女じゃないの?」


最後のほうは聞いてなかった。

俺は急いで教室を飛び出した。




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