マイベイビー&ハピネス☆
教室をのぞくと、ヒカルが戸口に近づいてくるところだった。
「……薫」
俺に気づいて、目を丸くしたが、すぐに気まずそうに視線を外し、何も言わずに横をすり抜けた。
「待てよ」
俺はヒカルの腕をつかんだ。
「あいつと付き合うのか」
「…薫には関係ない」
ヒカルがうつむいたまま言った。
思わず歯をかみ締める。
握り締めた手に、力がこもる。
「……痛い」
ヒカルを無理やり引き寄せ、抱きしめる。
ヒカルが離れようともがいたけれど、
きつくきつく、抱きしめる。
「離して…」
絶対イヤだ。
「離してよ…」
ヒカルの声が少し涙声になる。
分かっている。
悪いのは俺だ。
彼女を裏切った俺。自分勝手な俺。
だけど、言わずにいられない。