マイベイビー&ハピネス☆

「こうして見ると…」


目元はやっぱ俺に似ているのか。


「良かったな~お前将来有望だぜ」

「う~」

大翔がガラガラを振りながら、俺を見た。

黒い瞳は、なんだか楽しそうだった。


「よかったな~俺が父親で」


そう言った途端、ガラガラを離してしまった。

どういう意味ですか?

もう一度持たせると、また振り始めた。

カラン、カラン、

不意にヒカルのことを思い出す。


――薫に私の気持ちが分かる?


「きゃ、きゃう」

大翔が笑った。

「人の不幸を笑ってんじゃねーよ」

「あぇ~あ~」

「まだ笑うか、そーゆーヤツはな~」


俺は両手で大翔の全身をくすぐった。

大翔は足をジタバタ、全身をくねくねして笑った。

やがて俺は、スポーツバックを抱え、川原を後にした。


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