『麗香5℃』
第一夜
麗香はベッドの中で目覚めた。横には見知らぬ男が、まだ寝息をたてている。
何度となく、繰り返してきた、朝の光景…
何の感情も沸き上がらない。
沸き上がらないというより、感情そのものを切り捨てているのかも知れない。
麗香を知るある男は『氷を抱いているようだ』と、周囲に洩らしたことがあった。
心を固く閉ざし、深く沈んだ沼の中から、時折見せる冷たい眼の光に、男たちの心は凍てついてしまう。
麗香はソッと起き上がり、男を起こさぬようにベッドを出た。
「この男も駄目…」
ポツリと呟く。
シャワーを浴びる
昨夜の名残を洗い流す。
それも熱いシャワーで。
麗香にとっては、1つの儀式である。
もう二度と会うこともない男の匂いをすべて流すのだ。
そして、また今日も日常の朝が始まる。
何度となく、繰り返してきた、朝の光景…
何の感情も沸き上がらない。
沸き上がらないというより、感情そのものを切り捨てているのかも知れない。
麗香を知るある男は『氷を抱いているようだ』と、周囲に洩らしたことがあった。
心を固く閉ざし、深く沈んだ沼の中から、時折見せる冷たい眼の光に、男たちの心は凍てついてしまう。
麗香はソッと起き上がり、男を起こさぬようにベッドを出た。
「この男も駄目…」
ポツリと呟く。
シャワーを浴びる
昨夜の名残を洗い流す。
それも熱いシャワーで。
麗香にとっては、1つの儀式である。
もう二度と会うこともない男の匂いをすべて流すのだ。
そして、また今日も日常の朝が始まる。