RE;君がくれた勇気
中学から吹奏楽を始めて、私はもう吹奏楽なしでは生きれないってぐらいに染まっていった。元々はピアノが一番好きなんだけど、吹奏楽でトランペットをするようになってからは音楽への感じかたが深くなった。ピアノのコンクールは独奏だから自分一人の問題だけど、吹奏楽はそうはいかない。その対照的な感覚がまたたまらなくて、中学二年までサボりがちだった私はリベンジもかねて熱心に高校でトランペットを続けている。中学の時に起きたあたしの黒い記憶を塗り直すために
そのためにも過去の人々とは縁を切ろうとしていた。自分の全てを変えるために。病んでるって?さすがにそこまではいってない。

ただ捨てれなかった。
自分が放置すれば、もう繋がることのできない咲月とのささやかな一時を捨てれなかった。

咲月とのメールは不安なあたしの唯一の支えだった。
何を考えているのかわからないクラスメイト、いい子達だけど怖い。その点深入りするわけでもなく、程よく愚痴を聞いてくれて、意見を言ってくれたり、慰めてくれる咲月には本当に感謝してる。ってか尊敬してる。

コンクールのメンバー決めのオーディションを明日に控えたあたしは不安で仕方がない。だけど咲月に受かったよっていいたいから、自分の力を認めて欲しいから、純粋にメンバーになりたいから合格したい。
『明日オーディション^^;』
『そっかぁ!頑張ってなぁ』

良い報告が咲月にできることを私は神に祈りながら眠りについた。
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