夏の事。
-------------------------


ヒタヒタヒタヒタ…。

どこからともなく誰かが歩いてる音が聞こえる。


体の激痛と共に、目の前の暗闇からゆっくりと拡がった白い天井。


ゆっくりと、まぶたを開け、ゆっくりと瞬きをする。

(なんで私、ここにいるの?)


暗闇から抜けて、何だか光を急に浴びたような眩しい感じ。



ガタン。

ぼんやりと白い天井を見ていると、白い服を着た女性が、あかりを覗き込んだ。

『ふ、古谷さんッ』

(…ふ、るや…?)

女性はベッドサイドのボタンを押し、あかりが目を覚ました事を告げた。


『今お医者さんが着ますからね。ご両親とおじいちゃんおばあちゃんも呼びますね。』


『りょうしん…?』


なんのこと?
なんで、私、「ここ」にいるの?

バタバタバタバタ……………-------


それから少しして

病室の廊下から誰かが走ってる音が聞こえた。

ガチャッバタンッ!!


あかりの病室のドアが開いた。

< 2 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop