夏の事。
『生理、来た?』

あかねに言われ不安になった

あかりは真夜中、こっそりと家に帰り
部屋の机に明かりを点け、
昨年の手帳をめくった。


パラッ…

8月。

(あ、学祭とぶつかって、お腹痛くて全然楽しめなかった。)


パラッ…

9月。

(あ……この月は確か、寒さで2日目にすごいお腹が痛くなって、保健室に行った……)


パラッ…
10月。

(……10月…あ、この月は初日、アヤトにエッチをせがまれた…)

パラッ…

11月

(11月…?あれ?来てたっけ…?)

全く覚えてない。

パラッ…パラッ

12月…1月………。

気が動転して手帳をバンッと両手で閉じた。


(あ…あたし、3ヶ月も生理来てないのに何も気づかなかったの?!)

あかりは呆然とした。

全く意識をしてなかった自分に

(なんで気づかなかったの…?)

と責め


(…お母さんに知られたらどうしよう…
アヤト、喜んでくれるのかな……一緒に病院、行ってくれるかな……)


あかりにはこれからの事が不安で

何か取り返しが付かないことをしてしまった様に感じていた。


…けど、アヤトの「結婚しような」を信じたかった。


……アヤトに相談してみよう。


あかりはそう思った。
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