黒ユリのタンゴ
終礼が終わり、片付けをしていると「黒ユリちゃん」とボスの声がした。

振り向くと、神田君とボスが教室の外にいた。



ボスは小さな声で「緊急収集だよ」とつぶやくと黙って先を歩き始めた。


人の多い廊下をスタスタと歩くボス。

正直、追いつくのにやっとだ。


「ねえ、どういうこと?神田君」

「いや・・・僕にも分からないんだよ。さっきクラスに来てさ」



2年のフロアにそのまま上がり、筧先輩と光永先輩を呼び出す。


二人も同じく、一体何のことか分からない様子だ。


私たちは無言のまま、旧館生徒会室に向かっていた。


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