黒ユリのタンゴ
とんだ脅迫状騒動だ。

正直、怖さよりも先にわたしには「怒り」がこみ上げていた。


なんだって、人が頑張ろうとしているものをぶち壊そうとするのよ。

どんな理由があったって、許せない。



いつもの場所でペットボトルを飲みながら、私は神田君に文句を言いまくっていた。


神田君も許せないよね、と一緒に怒っていたが、ふと何かに気付いたようだ。


「ねえ、『ミス文芸部』が決まったのって、いつだっけ」

うーん。あれはいつだったっけ・・・?

「私は終業式の日に知ったけど」



「ずいぶん犯人って、情報早いんだね」

・・・あれっ、ホントだ。

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