黒ユリのタンゴ
実はあっけなく電話は終わった。


衝撃の事実を残して。



電話には、小倉先輩の母親と思われる人が出た。


一通りこちらの話を聞いたあと、とても悲しそうにこう言ったのだ。


「わざわざ連絡いただいてありがとう。

ただ、うちの子、今こちらにいなくて。


実は12月から入院してるのよ。

この間も文芸部のお友達が心配してお電話くれてたみたいなんだけど。」


ええっ


これって、どういうこと!?


さすがの神田君も、目を丸くしていた。

私たち、振り出しに戻ったの!?


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