黒ユリのタンゴ
いよいよ明日だもんね。


『百人一首大会』と書かれた紙がステージ上に貼られ、体育館もそれらしくなってきた。


「光永さん、お疲れ様」

「あ、田所先生」

「生徒会のみんなもお疲れ様。明日は文芸部の浜田さんも出るんでしょ?

私も楽しみにしておくわね」


どうやら文芸部顧問の先生らしい。


脅迫状の話も小倉先輩の話。


この先生もどこまで知っているのか、ノンビリしたもんだ。


それじゃ、と先生はボスを見つけると、一言二言話して体育館を出る。


肝心の関係者のノンビリ具合に、脅迫状の件もドッキリだったのではないか、と思わず想像してしまった。


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