黒ユリのタンゴ
ノルマの札を並べ終わったらしい、神田君も私のそばでこんなことを言う。


「結局なんだったんだろうね。

小倉先輩がまだ怪しいのはかわりないんだけど」


自然とひそひそ声になる。


「入院してる、って言われたらお手上げだよね。

協力者がいたとしたら、もうわかんない」



ふう。

二人でため息をつく。



外はすっかり暗くなっている。

いよいよ、あした。


明日になったら、すべてが分かるのだろうか。

・・・わかってほしいな。


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