黒ユリのタンゴ
いよいよ5分前。


もうほとんどの生徒は体育館に集まってきた。


この部屋の緊張が最大限に高まる。


ボスは部屋の隅で、筧先輩に何かを指示していた。


一瞬筧先輩の驚いた声がし、その後こんな声が聞こえてきた。

「へえ、面白いですねえ。僕としちゃ、大歓迎ですよ」


・・・何か進行上のアドバイスだろうか。



ところが、まだ、浜田先輩は登場しない。


いてもたってもいられなくなり、わたしと神田君はボスに詰め寄った。

「先輩!?浜田先輩がいないのに、一体どうするつもりなんですか?」

「やっぱり中止したほうがいいんじゃないですか?」







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