黒ユリのタンゴ
そしてミニ百人一首大会は、というと。


ライバルたちの圧倒的な実力。

私は思ったより札が取れずガックリしていた。

智香も同じようだ。


二人でせっかく覚えたのにね、とボヤきあう。



ボスや光永先輩は、さすが文芸部の貫禄、といったところだろうか。


意外に男性陣はあまり取れていなかった。

「分かっても札を探すのって難しいからねえ」

「女性陣に花を持たせたんですよ」

「あのねえ、先輩・・・」



そうだ。

「ボス。わたし、あの本持ってきたんですよ」

私は小さな声でボスに話し掛ける。


さすがに『小学生向け』だったもんなあ。





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