黒ユリのタンゴ
ガバッ、と布団を思い切り跳ね除けてしまった。


ボンヤリとした頭で、周りを見る。まだ窓の外は暗い。

うう、ひどい寝汗かいてるや・・・。


ひどくリアルで、イヤな夢だった。


最近読んでなかったが、思わず机の上の『漫画でよく分かる 小倉百人一首』をにらみつける。

コイツのせいで、とんでもない夢を見ちゃったじゃない。


あのインパクトある話、なんだったっけ。
ぼんやりする頭の中で一生懸命思い出す。

そうそう、小野小町だ。


夢の中で、どうやら私は小野小町に恋する男性になっていたらしい。
相手は絶世の美女ではなく、残念ながら憧れの先輩だったが・・・。
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