黒ユリのタンゴ
小野小町にまつわるエピソードとして、一番有名なのが「深草少将」との物語。


小野小町に想いを寄せる深草少将。

漫画では小野小町が「そんなに好きなら百日来てよ」と言って、少将は真面目に百日通うことになったという。


毎晩毎晩。

言われたとおり雨の日も雪の日も通い、小野小町の家の軒先に「櫃(ヒツ)の実」を置いて帰ったという。


ところが九十九日目の雪の振る晩に、ついに深草少将は力尽きて死んでしまった。

これが有名な「百夜通い」だそうだ。


九十九日間通った少将にもびっくりだし、そうさせた小野小町にもびっくりだ。


最後の百日を目前に力尽きた少将は、どんな思いだったんだろう。

そしてそれを知った小野小町は、どう思ったんだろう。
人の気持ちを試すぐらいだから、そんなに好きな人ではなかったのかもしれない。

それでも少しは悲しがってくれたんだろうか。

先輩だったら、どうだろうか?
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