黒ユリのタンゴ
勢いだろうか、誰も触れないアンタッチャブルなところまで、筧先輩は突っ込んでいく。
「ところで生徒会長って、彼女いるんですか?うちのクラスの女性陣がうるさくって・・・」
不意に飛び出した質問。
周りの爆笑とは反対に、私の心臓はバクバクと音を立てる。
同時に、渡り廊下で聞いた会話が思い出される。
(先輩・・・いないっていって!)
「いないに決まってるだろ?いたらこんなところにお菓子もってこないって」
先に笑って答えたのは、ボスだった。
プリンス先輩も、それに続く。
「まあね・・・。だから逆にホモじゃないかってうわさも一部であるらしい。ほんと迷惑だよねえ。そこまでいくと、ウソでも彼女のうわさがあったほうがいいんじゃないかと思うぐらいだよ」
思いもよらなかった「ホモ」という言葉に、一堂さらに爆笑。
私もあまりの展開に、口をあんぐりしてしまう。
「ほら、黒ユリちゃんもあきれてしまった。『いない』がたくさん誤解を生むなら、ウソでも何らかのうわさがあるくらいがいいってことなのかなあ」
「そうそう。コイツ男の痴漢にあったこともあるらしいし」
「おい、ヤマさん!それは誰もしらな・・・」
「生徒会長はそうだったのか・・・ちゃんと報告しないと」
「ええ~っ、僕も気をつけなきゃ」
「なにいってんだ、キミたち!!」
思わず赤面してしまう。
でも、ちょっと聞きたい。興味アリ。
「ああ、黒ユリちゃんまで引いてる!こら、ヤマさん、何てこと言うんだ!」
「でも私すごく興味あります!教えてください!!」
プリンス先輩もボスも神田君も筧先輩も、こんなに爆笑するんだってくらい笑ってた。
もちろん私も。
これは後でホッペ痛くなるだろうなあ・・・
とにかく楽しかった。
今日までにいろんなうわさも聞いちゃったけど、それが吹き飛ぶくらい楽しい時間。
きっともうへんな夢も見ないだろう。
・・・そうだよね?
(続く)
「ところで生徒会長って、彼女いるんですか?うちのクラスの女性陣がうるさくって・・・」
不意に飛び出した質問。
周りの爆笑とは反対に、私の心臓はバクバクと音を立てる。
同時に、渡り廊下で聞いた会話が思い出される。
(先輩・・・いないっていって!)
「いないに決まってるだろ?いたらこんなところにお菓子もってこないって」
先に笑って答えたのは、ボスだった。
プリンス先輩も、それに続く。
「まあね・・・。だから逆にホモじゃないかってうわさも一部であるらしい。ほんと迷惑だよねえ。そこまでいくと、ウソでも彼女のうわさがあったほうがいいんじゃないかと思うぐらいだよ」
思いもよらなかった「ホモ」という言葉に、一堂さらに爆笑。
私もあまりの展開に、口をあんぐりしてしまう。
「ほら、黒ユリちゃんもあきれてしまった。『いない』がたくさん誤解を生むなら、ウソでも何らかのうわさがあるくらいがいいってことなのかなあ」
「そうそう。コイツ男の痴漢にあったこともあるらしいし」
「おい、ヤマさん!それは誰もしらな・・・」
「生徒会長はそうだったのか・・・ちゃんと報告しないと」
「ええ~っ、僕も気をつけなきゃ」
「なにいってんだ、キミたち!!」
思わず赤面してしまう。
でも、ちょっと聞きたい。興味アリ。
「ああ、黒ユリちゃんまで引いてる!こら、ヤマさん、何てこと言うんだ!」
「でも私すごく興味あります!教えてください!!」
プリンス先輩もボスも神田君も筧先輩も、こんなに爆笑するんだってくらい笑ってた。
もちろん私も。
これは後でホッペ痛くなるだろうなあ・・・
とにかく楽しかった。
今日までにいろんなうわさも聞いちゃったけど、それが吹き飛ぶくらい楽しい時間。
きっともうへんな夢も見ないだろう。
・・・そうだよね?
(続く)